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ある質問に

週一回学習援助のために通っている小学校の教室でのこと。
数週間前のある休み時間、前の席に座るTくんが、突然振り返り聞いてきた。
「ねえ、夢はなに?」

あまりにまっすぐな目で聞いてくるものだから、たじろぐ。それから急いであれこれ思いうかべた。
が、気の利いた夢は思いつかず、仕方なく(というか姑息にも)
「じゃあ、Tくんの夢は?」
と逆質問。
と、
「そりゃあ、サッカー選手だよ。」
と、余裕の笑顔で即答してくれた。笑顔がまぶしかった。

まず、この小学2年生の私に対する対等な姿勢に胸打たれた。51のおばさんにも夢があると信じていて、かつその夢に興味も持ってくれて、かつ取りあえず聞いてくれた。それが嬉しかった。

それに対して、目を泳がせお茶を濁した自分の情けなさ…。
反省し、以来私の夢はなんだろうと考えてきた。

考えてみれば、ちょっとやってみたいことはある。行きたい場所も行ってみたい国もある。それも夢といえば夢。
でも、ちょっと違う。お金で解決しそうな感じでなんかちっちゃい。もっとこう…なんか実現が難しい、たっぷり時間をかけて、努力もしなくては実現しない…、それが夢のはず…。てなわけでしつこく考え続けていた。

そんな昨日、知人と話していたときのこと。その人が、
「うちの娘が、何年か前同級生の男の子と旅行に行ってね。その男の子っていうのが、ちょっとこれっぽい子で!」
と、頬の横に手のひらをかざす仕草をした。その仕草に一瞬、ん?と違和感を感じたが、次の瞬間私は同じ仕草をして、
「ああ、じゃあ安心でしたね〜」
なんて口走っていたのだ。媚びた笑いまで浮かべて…。

落ち込んだ。
ふだん、ジェンダーについて少しは意見を持ち神経も使っていたつもりだっただけに、自分のなかの、下世話で差別意識満載な人格を目の当たりにして、ガッカリした。やっぱり私という人間は、まだまだまだだなと。

そんなことをひきずって、今朝コーヒーを飲んでいた、その時再びTくんの質問が甦ってきた。
そして、あ!とひらめいた。

「そういうあれやこれやの差別意識や偏見を自分のなかから追い出してから死にたい。」
これを私の夢にしよう。

早速夫に話すと
「え、死ぬことを考えてるんだ。」
と言われ、私の夢のエッセンスが「死ぬこと」になっていることに気づいて、苦笑い。

でも、「差別意識の撲滅!」というのは、前人未踏の夢であり、一種の闘いであると思い直す。
それに、せっかく思いついたので、夫に何を言われようと、頑張って目指していこうと思った。

Tくんが、もしまた「ねえ、夢はなに?」と聞いてくれたら、今度は答えてみよう。
意外に共感してくれるかもしれない。
by happywacoco | 2013-07-14 12:37 | コドモ・学校
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