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浅草のまちの…

4月の初め、omomoといっしょに、ホームレスの人たちにおむすびを配る活動に参加してきた。

3時すぎからベテランのボランティアメンバーに交じって、お米をとぐところから準備を始めた。そして、8時すぎ数グループに分かれておむすびやカイロ、薬を配る活動を開始した。

浅草の裏道は8時を過ぎると、人影もまばらになる。ホームレスの人たちは、静かに夜を越す準備を始める。段ボールを手に、店の軒下や街灯の下で、黙々と。
その方達に声をかけ、おむすびを渡すのだが、多くの方が穏やかで、抱いていたイメージが覆された。それぞれの方になにかしらの品を感じたと言えばいいのだろうか。世の中で跋扈する多くの男性はどこか居丈高なのと対照的だ。存在することに謙虚であるように感じた。

ホームレスは怖い…というのは偏見だったなあとまず目を開かされた。
また、あるホームレスの方は、omomoが駆け寄っておむすびを渡すと、じつに喜んでくれ、「あんたは明るいねえ!!」としきりに褒めてくれた。冬のあいだは教会に身を寄せていたが、4月からはまた路上生活だと手に持った段ボールを掲げて見せてくれた。その笑顔は、妙に魅力的で、電車でよく見かける不機嫌なサラリーマンたちより、ずっとずっと健全に見えた。

多くのホームレスは個人でいたが、なかにはグループでいるホームレスの方々もいて、お互いに労り合っている様子に温かいものを感じた。車椅子に乗ったホームレスのおじいさんには、それを押す仲間が寄り添っていた。

家を持つ私たちだが、仲間を持つホームレスと、どちらが幸せなのかと、すこし混乱さえした。
たくさんのモノを持ち、それらを持ち続け、増やし続けるためににお金の心配をしつづける私たち。自分の生活のあり方について、きちんと考えてみなければいけないと思った。

20人ほどのメンバーで川沿いや町をまわり、200個のおむすびを渡して10時すぎ帰途についた。

omomoにとっても私にとっても貴重な経験となった。
たった2時間で家を持たない方々に200人も会えてしまうという、東京の現状…それはやはり深刻な問題だと思う。治安の問題とかふつうに暮らすもの達にとっての問題ではない。路上生活者自身の身体と心の健康の面で問題視すべきということ。さらに最近はオリンピック招致やスカイツリーがらみの観光地化推進のために、路上生活者を町から追い出そうという動きが活発化しているらしい。

「人権」ってなんだろう? 
自分の人権が守られているだけでは十分ではない。すべての人にとっての人権特に社会的弱者と言われる人たちの人権に、心を飛ばす努力をしていきたいと、改めて思った。
# by happywacoco | 2013-04-27 12:59 | モロモロ♪のこと

夕暮れはまだ遠い

今朝寝室の片隅の棚にふっと目をやると、色の変わった新聞の切り抜きのはしっこが見えて、どうにも気になり引っ張り出すと、それはこんなタイトルの記事だった。
「夕暮れはまだ遠い 団塊50代の日々」
現代詩作家荒川洋治さんによるエッセー。
さっそく読む。

荒川さんにはお気に入りのクリームドーナツがあって、原稿書きの合間思い立って駅近くのパン屋にミニバイクを走らせることがあるという。そんなひとこまを描いた文章はこう続く。

「…するべきことはした。店の椅子にこしかけ、ひと息つく。それからまず二番目にすきなアップルパイを消化。そして目標のクリームドーナツを消化する。ひとつの、おわり。
静寂のひとときがおとずれる。(中略)
雨の日も風の日も、いまだと決めたら飛んでいく。(略)
五十歳を過ぎた。するべきことはした。あとはできることをしたい。それもぼくはこうするなと、あらかじめわかるものがいい。
こんなふうな習慣がひとつあって、光っていれば、急に変なものがやってこない感じがするのだ。(以下数行略)」

なんてことはないさらりとしたエッセーだ。
日付は2001年6月6日。
39歳だったわたしは、きっとこのエッセーのなにかに感動して切り抜いて、とっておいたのだろう。
50歳になった今、読み返し、ちょっと不思議な気分になった。

で、さっきもう一度その切り抜きを取り出し、もう一回読んでみた。そして、
「五十歳を過ぎた。するべきことはした。あとはできることをしたい。」
という文に「ん、ん?」と思った。

実はわたしは3月末に17年続けてきた作文の添削の仕事を辞めた。上司が定年を迎え、それを期に東京の事務所が閉まり、4月から方針も体制も大きく変わる、その前に区切りとして辞めることにした。
多少の心残りはある。しかし、今後の体制を考えると、辞めどきだと決心した。
最後の週、作文一枚一枚に講評を書きながら、泣けてきた。「ああ、私はこの仕事が好きだったのだなあ」としみじみ思った。そして、封筒に入れ発送したとき「一枚の作文も紛失せずに終えられた。」と心底安堵した。

17年前、omomoが2歳になり、無我夢中の育児から解放されるかも?とふっと思った。むくむくと仕事をしたい!という気持ちがわいてきた。そんなとき、新聞で小さな求人広告を見つけた。「在宅」の文字が有難かった。
あと数年は家で仕事をし、いずれ外で働こう!なんて思っているうち、17年たっていた。しかし、おかげで、子育てを自分の手で十分できた。反省点はあるが、心残りはない。この秋omomoは二十歳を迎える。

「するべきことはした。あとはできることをしたい。」
もう一度読み、うんうんと頷く。

さてさて、さてさて、わたしのできること! わたしのしたいこと!
不安もあるが、楽しみでもある。
夕暮れはまだ遠い…のだ☆
# by happywacoco | 2013-04-07 15:04 | 愛すべきコト・モノ・ヒト

プラカード*デビュー☆

3月9日10日と夫婦で脱原発のデモに参加してきた。
(omomoはサークルの仲間とベトナム旅行中なのだ)

9日は大江健三郎さんや落合恵子さんが呼びかけ人となっている集会とデモ。
翌日の新聞では1万5千人の参加とあったが、若い人たちがずいぶんと減ってしまった。しかし、シルバー世代はまだまだ健在。見渡す限り年上という状況はなかなか新鮮だった。ニッポンのシルバーは強し!

そのなか車椅子に静かに座る老婦人の後ろ姿が目にとまった。
亡くなった父にかつてプレゼントしたのと同じような形の脱ぎ履きが楽な靴を履いていらしたので、たぶん父同様に脳梗塞かなにかで身体が不自由になられたのだろうと推察した。ひとり、車椅子でぽつんとしていられたので、気になった。
しかし、しばらくするとご主人らしき人がパンとペットボトルの入ったビニール袋を提げて現れ、静かにご夫婦で移動されていった。おそらく、午前中から集会に参加され、デモ行進前に昼食をとろうとされていたのだと思う。
原発はなんとしても止めねば!!と、居ても立ってもいられず駆けつけたのだろう。たとえハンディを持っても、労り合い、夫婦で社会に参加し続けようとする姿に心打たれた。

また、集会の終盤司会の木内みどりさんが言った。
「本日大江健三郎さんは、スニーカーを履いてこの場にいらっしゃっていますっ!!
 みなさんといっしょに渋谷まで完歩されるそうです!!」

会場がどっと沸いた。
拍手する人々の足元に目をやると、一様にスニーカーを履いていた。
力強い、いい足元だなあ〜と思った。

もちろん私たちも、明治公園から渋谷まで完歩。
帰ってからのビールが美味しかったこと。


翌日は、日比谷公園スタートで国会議事堂まで。強風のなか、埃にまみれながら完歩。

実はこの二日間のデモのために、夫が「no! nukes!!」と書いたプラカードをデザインしてくれた。私はomomoとマジックで彩色。今までデモは何度もしてきたが、プラカードを持っての参加は初めて。ちょこっと緊張した。

しかし、これが成功。デモ中、幾人もの人たちに
「作ったんですかぁ? 素敵ですね〜。」
と声をかけていただいた。写真を撮ってくれるひとや、ツイッターにアップしてくれる人もいた。

ひとりの元気なおばさまは、夫に向かって
「あなたが描いたの?イラストレーターかなにか?アイデアと方向性がいいわよっ」
と言ってくれた。それなのに、フードをかぶり、マスクをしたまま陰気に頷く夫。売れない若手が励まされている図のようで、可笑しかった。
その後しばらくして、おばさまは「がんばってね〜」と念を押すように言って立ち去った。心から心配してくれたのだろう。感謝☆夫婦共々ガンバリマス♪

声をかけてもらうのはやっぱり嬉しいものだ。プラカードを作ってほんとよかったなあ。ささやかでも意思表示をすれば、なにか反応が返ってくる。しかもあたたかな…。
声をかけてくれた方々には、同じデザインで作ったステッカーをプレゼントした。パソコンやペンケースに貼って、意思表示に使ってくださいという言葉を添えて。

ということで、急に冷え込んだこの晩の日本酒熱燗4合(ふたりで)の美味かったこと♪
ゲンパツイラナイッ! サイカドーハンタイッ!!の思いを新たに、諦めないぞと誓った。

オリジナル「no! nukes!」ステッカーは在庫あり!です。
ご希望の方 ご連絡ください☆アイデアと方向性はお墨付きです♪
# by happywacoco | 2013-03-13 21:51 | モロモロ♪のこと

ちいさな意思表示。ということ

先日となり町散策にでかけた折、絵本屋で「ちいさな意思表示」と名付けられたステッカーを見つけた。
直径7センチほどの円形のステッカー2枚セット、300円也。
迷わず買った。好きな絵本作家のイラストで、猫柄とリス柄、どちらもso cute!!

で、なぜ「ちいさな意思表示」かというと、イラストの下に「no! nukes」と入っているから。
袋のヘッダーにはこんな文章…
「原発や放射能の話、ちょっとしにくい世の中です。
だけど、私たちの暮らしや生き方のことだから、みんなでふだんから語り合いたい。
そのきっかけに…まずはちいさな意思表示から。」


そのステッカーをomomoに渡すと、さっそく猫柄のほうをノートブック型パソコンに貼ってくれた。そして大学に行くと、「同じの持ってる〜♪」という友だちがふたりもいたとか。

ひとりは、クラスメイトの女の子で、その子のお母さんは毎週金曜日官邸前抗議に欠かさず参加しているとか。しかも毎週違ったプラカードを作ることを楽しんでいるという強者。頭が下がった。

で、もうひとりの女の子はサークルの友だち。その子の話がまたいい。

ある日駅で、足早に自分を追い抜いていくおばさんがいた。追い抜きざまに軽くその子にぶつかったので、その背を目で追うと、おばさんが背負うリュックサックに半紙が留められ、ひらひらしている。
えっ!と思ってまじまじ見ると、半紙には、墨書きで「原発反対!!」と書かれていて、はっとした。
その後、書店で本を買ったとき、カウンターで見つけたのが、その「ちいさな意思表示 ステッカー」。
その子は「わたしも!なにかしなきゃっ♪」と迷わず買ったのだそうだ。

「ちいさな意思表示」をomomoが貼ってくれたことで、すてきな話をふたつも聞けた。happy♪
ステッカー効果恐るべし♪


去年12月の選挙で自民党が民主党に大勝しただけのことで、アベくんは民意は自民党支持と誤解し、「『2030年には原発ゼロ』は見直し!」なんて胸を張って言う。世間はアベノミクスに躍らされ、脱原発の空気も縮みがち。なんともやりきれなかっただけに、omomoからの報告は心強く嬉しかった。

そこでわたしも、ささやかに「意思表示」。
まず玄関にステッカーのもう一枚リス柄の方を貼った。
それから、3月10日ある会に出席することになっていたのだが、その主催者に
「その日は、脱原発デモ参加のため、欠席します。」
とメールした。デモに行くなどまだまだ言いにくい環境にいるので、これも大事な第一歩。

官邸前抗議を秋からさぼっていた私だが、3月9日10日はしっかり声をあげ、「原発はいらない!」という思いを届けてこようと思っている。
# by happywacoco | 2013-02-27 10:32 | 愛すべきコト・モノ・ヒト

あたらしいとし!

2013年になりました。
あけましておめでとうございます。

毎年毎年1年がはやくてはやくて、ついていけないくらい。
記憶力が急速に落ちているからかもしれないが…。

ということで、忘れないでおきたいことをここにメモしておこうと思う。

昨年うれしかったこと〈その1〉
春私とomomoが知人の親子と久しぶりに会って食事をしていたときのこと。omomoの小学生の頃の夏休みの自由研究の話題になった。
とomomoが
「ワタシ、ずいぶん母にダメ出しされて、泣きました〜」
と言った。私は内心ドキリとした。

   自由研究のまとめの段階、たしかに私は鬼になった。
   まとめ方がわからないと泣くomomoに、考えなさい!と叱り、
   かなり要求したと思う。

と、知人が、
「あ、それはお母さんが理想とするものと違ったからじゃないの」
と言った。それに私はすこ〜しズキンとした。

すると、すかさずomomoが
「あ〜、たぶん、そうじゃなくって〜、母はたぶん『適当にまとめてしまっては意味がない』とワタシに教えたかったんだと思うんです。」
と、言ってくれたのだ。

私は、omomoがそんなふうに解釈してくれていたことが感激だった。
と同時に、そのような意見をさらりと言ってのけられる年齢になったんだなあとしみじみした。
忘れないと思っていても、忘れるので書いておく。アリガトウ。


うれしかったこと〈その2〉
仕事中のこと。
教室に通ってくるインド人の女の子Sがこくごの勉強中、プリントのはしに何か書き始めた。
 
    Sはまだまだ日本語が苦手。
    そして時々 「意味、なんですか?」と英語での説明を要求する。
    それが「おやつがほーい。どっさりほーい。」の意味だったりして、
    私の拙い英語では とてもとても説明できず、申し訳なく思っていた。

で、彼女がプリントのはしに何か書き終えると、プリントをくるりと回し見せてくれた。「you are so nice.」

すこし丸みを帯びたその文字を読み「え、私のこと?」と聞くと、にっこり笑ってうんと頷いた。有難く、うれしかった。

ときどきへこむと思いだし、自分を励ます。「you are so nice.」


omomoにしてもSにしても、もうこんな出来事は忘れてしまっているかもしれない。
でも、その一瞬の出来事を、私はこの1年時々思い出しては、「がんばろう」と自分を励ましてきた。


てなことで、2012年にあったすべての感謝すべき出来事、感謝すべき人々…に改めて感謝して、あたらしい1年を始めようと思う。
# by happywacoco | 2013-01-01 16:05 | モロモロ♪のこと